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二人して声のした方をバッと振り向くとそこには、
俺の大嫌いなやつがいらっしゃいました。
「こんな夜中に何をしている。もうすぐ消灯時間だ。わかっているのか。」
チワワくんの力が緩んだ隙に俺はベンチから転がり落ちた。
「しかも、このような行為を外で行うのは関心しない。」
真中の突き刺すような冷やかな目が痛い。
「…強姦ではないだろうな?」
更に目が鋭くなる。
チワワくんは言葉に詰まっていた。
「、あ、あの…」
「ち、ちっがうよぉ~、ただ、お話してただけぇー。もうすぐ帰ろうかって話してたとこだったんだよぉ。」
「ねー!」
とチワワくんにウィンクをして合図をする。
「は、はい!そうです!それでは水無月さま、遅くまでお話して下さってありがとうございましたっ!!」
そう言ってチワワくんは思いっきり礼をすると、走って寮へ帰って行った。
なんでか、庇っしまった…
まだ頭の中はぐるんぐるんしてる
でも、悪いこじゃなさそうだし、風紀の真中に見つかって、同意じゃないのがばれたらあの子の立場は相当やばいだろう。
あー、でも俺の初キスがあああああぁ
「…おい」
「…なぁにぃ~?」
まだ居たのかよ。早よかえれ。
「お前、大丈夫か?」
何言ってんだ、コイツ
「大丈夫も何も、ただお話してただけだしぃ?」
そう言って、転げたままの身体を立ち上げようとすると、力が入らず立てなかった。
え、なんで?
「そんなに泣きそうな顔で、震えてる奴が大丈夫だなんて、俺は全く思えないんだが。」
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