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「俺、れーくんの事が好きだよ。恋愛対象として。」
「…ゆーくん。ありがとう、でも、僕はゆーくんの事を友達としてしか見れないよ。…このままじゃ、ダメかな…?」
この時、僕にとても残酷な言葉を刻みつけたのは、僕が愛して止まない人だった。
告白をしたのは、もう半年も前の事。
僕は、未だにれーくんを好きなままだった。
「ったく…。柏木様も人使いが荒いよなぁ…。」
イキナリ連絡してきたかと思ったら、監視カメラの確認と副会長の身の回りや過去やら全部洗いざらい調べろってさ…。
おかげで、今日折角れーくんと遊ぶ予定だったのに潰れるし。
水無月君の事は小耳に挟んではいるけど、詳しい事は知らされていない。
まぁ、柏木様の事だから、犯人に目星がついているんだろうけど。
僕には、違う任務があるからきっとこの件からは外されてるんだろう。
そんな事を思いながらパソコンを叩いていると、控えめにドアをノックする音が聞こえた。
「ゆーくん、ご飯出来たよ~?お仕事大丈夫そうなら食べない?」
「れーくん、ありがと。一応仕事はひと段落ついたから、有り難く頂くよ。」
そう言ってパソコンを閉じると、れーくんと一緒にリビングへ出た。
れーくんとは、部屋も一緒、クラスも一緒、委員会も一緒。
全てが同じだ。
これが、今僕の首を徐々に締めていた。
「ゆーくんも大変だねぇ、お家のお仕事手伝ってるんでしょう?」
「ん?うん…。本当に、人使いがあらいよね。」
「でも、お仕事任されてるなんて凄いよ!大変だとは思うけど。」
「ありがと。れーくんごめんね、今日は出かける予定だったのに、1日家に居ることになって。」
「ううん、いいのいいの!ゆーくんと出かけないと面白くないし、何時でも行けるんだからさ!僕たち友達じゃん!」
「…ありがと。」
君の言葉は僕の心をギリギリと締め付ける。
嬉しい気持ちにさせて落とす。
本当に、君は残酷だ。
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