2697人が本棚に入れています
本棚に追加
れーくんの護衛任務を受けて、れーくんに近づいたのは、1年の初め頃。
僕は、人を好きになる事はないと思っていた…のに。
君は軽々しく僕の心の中に入り込み、かき乱した。
「…はぁ~。」
僕は大きくため息をついていた。
「あ、ため息!ゆーくんダメだよ、幸せ逃げちゃうよ??」
それを君が言うのか。
「…ごめんごめん。幸せにはなりたいからね、気をつけるよ。」
まだまだ消えてくれない恋心は、心を傷つけるばかりだ。
君の隣に居られる間に、諦められる未来を夢にみる。
この、高校3年間だけの友人なのだから。
でないと、僕は狂うだろう。
そんな未来を夢に見ながら、今日も僕は君に惹かれる。
早く、諦めさせてくれ。
「じゃあ、僕残りの仕事片付けてくるね。後片付けもお願いしちゃうけど、いい?」
「もちろん!お仕事頑張ってね。」
「ありがと。明日こそ、お出かけしようね。」
そう言いながら、友達を装って髪の毛をくしゃくしゃっと撫でる。
サラサラな髪の毛の感触に頭がくらりとするが、何とか理性を抑える。
「それじゃあ、よろしくね。おやすみ、れーくん。」
「…おやすみ、ゆーくん。」
パタリとドアを閉めると、もう一度大きくため息を吐き、パソコンへと向かった。
「…頭撫でるのは、反則だよぉ。ゆーくん…。」
顔を真っ赤にしているれーくんには気付かないまま、僕は仕事に没頭していった。
最初のコメントを投稿しよう!