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「ちょっ!! るいるい!!?」
「だって本当だもんっ かえでったら、付き合ってまだ1日だよ~」
楽しそうに話す、るいるいが、もし男だったら股間を蹴り上げて黙らせるのに。
「かえでね、彼氏の親に頼まれて、大根を渡しに行ったら、ナイスバディなお姉さんとすれ違ったんだって」
「大根……?」
琉架が首を傾げるが、誰も大根については気にしない。
てか、生々しく思い返させるなよ。
覚えてるよ。
むせかえる様な、香水。
真っ赤に塗られたな唇。
胸元の開いたワンピースとハイヒール。
それに対抗する私は、
花柄ワンピースにスニーカー、手にはビニールに入った土がついたままの大根2つ。
馨ちゃんのアパートから出て来たから気になってたけど、
いざ馨ちゃんの玄関を開けると、
微かに残る香水の香りに、
シャワーを浴びて髪を拭く馨ちゃんに、
テーブルの灰皿には口紅がついた煙草が残してあった。
「うっわ~。よく浮気女が、あざとく痕跡を残す手口だよね~、ね?」
琉架が、男子2人に話を振るが、2人はただ頷くだけだった。
「でもぉ、それって、かえでにわざと見せつけたんでしょう?
馨ちゃん、本当に最低よねぇ」
ぷんぷんと頬を膨らますが、全然怒った様子に見えないから腹立たしい。
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