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「? 何で?」
きょとんと首を傾げる、琉架の最後のヘアピンを、引っこ抜いてやった。
「っいた!」
なっがい前髪が降りると、目が隠れて少し野暮ったい年相応な男の子になった。
「も~~。酷いなぁ」
そう言って、ポケットからピンクのポンポンの付いたゴムを取り出し、前髪をちょんまげに結んだ。
……こいつ、結構できる!
「かえでは、結婚まで清いままで居たいのよ」
「るい!! それ以上喋ったら、あんたでも許さないからね!!」
「いやぁん。怖ぁぁい」
きゅるんと上目遣いで、琉架の胸に飛び込むるいは、相変わらず手慣れていると思う。
「て事は、かえでさんって処じ」
「うわー!! うわー!! それ以上喋ったら、殺すぞー!!」
箸を喉元に向けると、琉架が両手を上げて、ぺろっと舌を出した。
てか、いつの間にかオカマバーデンダー、消えてる。
こいつのせいで、追求できなかったじゃん。
「でも結婚してからさ、体の相性が悪かったら、離婚すんの?」
コーラの残りををズズズズッと飲みながら、無邪気に聞いて来た。
「愛さえあれば、相性なんて」
私がそう腕を組んで偉そうに言うと、ドッと皆が笑い出した。
わかめと大仏まで笑ってやがる!!!!
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