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『coltello』と言う、田舎の駅にしてはオシャレなBARの一番奥の席。
観葉植物で隠れて半個室になっているこの場所で、私とるいるいとるいるいの友達、
そして、増えるワカメみたいな髪型と、奈良の大仏みたいに細目の男たちと向き合っていた。
るいるいが毒を吐く理由はもう1つある。
3対3なのに、向こうは1人遅刻なのだ。
もう始まって1時間経つのに全く来る気配が無い。
もじもじ、下ばかり見て、会話を振っても「いえ……」「はい……」「あ、ビールで」しか言わないT大生との会話は退屈で仕方無かった。
「ねぇ、此処のバーテンダー、めっちゃめちゃ格好良いんだよ」
るいるいの友達こと、まみパイ(今、命名)が酔っ払った口調で言った。巨乳で、分厚い唇は、日本のジョリーのようだ。
「ええぇ!? 本当に? るい見に行く!」
「なんかめっちゃ綺麗なのよっ」
2人がきゃっきゃ、うっふふしてるのを、見ながら、何となく釣られて私も席を立った。
ツマミを切り分けるナイフを手に握ったまま。
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