Ⅰ COLTELLO -ナイフ-

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「――お前」 そう言うと、持っていたナイフをその男めがけて刺してやった。 ナイフは、そいつの腕ギリギリを通り、壁に微かな傷を作った。 「私に、二度と小さいって言うな」 忘れもしない、小学校6年の2学期。 その時期から私の身長は止まったまま。 ――147センチしかないのだ。 ナイフをゆっくり抜いて、その男を睨んでやった。 可愛いこぶって留めてあるピンを抜いて、直接おでこに刺してやろーか!! 私がガルガル睨み、その男が怯んでいると、突然、私の首が締まった。 「ぐっ」 「――お客様、喧嘩なら外でやってくれるかしら?」 カランッ 何か落ちる音は聞こえたものの、私は後ろからオカマ野郎に首根っこ掴まれて、爪先立ち状態でぷらんぷらんしていた。 くそう。このオカマ野郎、190センチはあるな! 「すいませぇぇん。かえでったら身長の事になると、人が変わっちゃってぇ~」 「ほら、お前も謝れよ」 まみパイにど突かれて、男は申し訳なさそうに頭を下げた。 「コーラ、急いで下さいね」 「ええ」 そうオカマ野郎は頷くと、またカウンターの中へ戻って行った
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