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「あ」
ナイフ、あのオカマ野郎が持って行きやがった。
さっきの音はナイフ……?
それにしては……。
席に着きながらオカマ野郎の方を振り返ろうとしたら、今度はるいるいが奇声を上げた。
「えぇええ!!! 君、高校生なのぉ!?」
「はい。M高校の普通科です」
「るいとかえでの地元か? あの今年廃校予定の」
まみパイがチーズをムシャムシャ食べながら言うが、るいるいは深く溜め息を吐いた。
「しかも地元ぉ? そしてウチらの後輩? もうまじ今日はツイてなぁぁい」
そう言って、ピンク色したカクテルを一気に飲み干した。
「先輩たちは福祉科だから校舎違いましたしね。あ、僕、琉架(るか)って言います。この二人は僕の家庭教師で、本当にT大生ですよ」
「あんた、私がクラブでナンパした時、嘘吐いたんだぁ~~」
まみパイが酔った勢いで、琉架と名乗る男のヘアピンを引っこ抜いた。
琉架以外の男共は、るいるいのギャップとまみパイの凄みに脅えている。
「コーラとノンアルコールカクテルお持ちしました」
その時、ナイスタイミングで、カクテルが届いた。
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