Ⅰ COLTELLO -ナイフ-

7/19

537人が本棚に入れています
本棚に追加
/338ページ
「あ」 ナイフ、あのオカマ野郎が持って行きやがった。 さっきの音はナイフ……? それにしては……。 席に着きながらオカマ野郎の方を振り返ろうとしたら、今度はるいるいが奇声を上げた。 「えぇええ!!! 君、高校生なのぉ!?」 「はい。M高校の普通科です」 「るいとかえでの地元か? あの今年廃校予定の」 まみパイがチーズをムシャムシャ食べながら言うが、るいるいは深く溜め息を吐いた。 「しかも地元ぉ? そしてウチらの後輩? もうまじ今日はツイてなぁぁい」 そう言って、ピンク色したカクテルを一気に飲み干した。 「先輩たちは福祉科だから校舎違いましたしね。あ、僕、琉架(るか)って言います。この二人は僕の家庭教師で、本当にT大生ですよ」 「あんた、私がクラブでナンパした時、嘘吐いたんだぁ~~」 まみパイが酔った勢いで、琉架と名乗る男のヘアピンを引っこ抜いた。 琉架以外の男共は、るいるいのギャップとまみパイの凄みに脅えている。 「コーラとノンアルコールカクテルお持ちしました」 その時、ナイスタイミングで、カクテルが届いた。
/338ページ

最初のコメントを投稿しよう!

537人が本棚に入れています
本棚に追加