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服屋に雑貨屋、衣料品売場、ゲームセンター、仕切られた壁がもどかしい。突き破れるものならそうしたい。
本屋の前に差し掛かった所で初めて、俺の足が止まる。
「・・・・・・居た・・・・・・!」
見間違う筈がない、ずっと会いたかった大事な人。何も変わっていない姿に、体が奥から温かくなった。
幸福感でその場にへたり込みそうになる体を奮い立たせれば、吸い寄せられるように足は彼女へと近付いて行く。
走って来た所為だけではなく、心臓が大きく脈を打つ。その音ばかりが耳の中で響いて、他には何も聞こえなかった。
吸い寄せられる足はだんだんと大股になり、速度を上げて、真っ直ぐ彼女へ。
ゆっくりとこちらに歩いてくる彼女に、ほとんど小走りするように近付き、耐え切れず、俺はその体を抱き締めた。
息も絶え絶えで、気を抜くと泣き出しそうで、とても喋れる状態とは云えないけれど、これだけは、ちゃんと伝えないと。
「・・・・・・やっと、やっと会えた。」
必死で息を整える。ずっとずっと恋焦がれてた相手が今、自分の腕の中に居る。こんな幸せって無い。
「待たせてごめんね、迎えに来たよ。
改めて、ふみちゃん、結婚してください。」
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