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「……っ」
突然耳をつんざいたクラクションにはっとする。
気が付けば信号は赤に変わっていて。慌てて横断歩道を渡りきると苛々してましたと言わんばかりに車たちがアクセルをふかして走り出す。
周りはそんな俺たちを気にすることなくそれぞれの速度で歩いていく。
だから俺ももう少しだけ、このまま彷徨ってみよう。
時が想いを風化するまで。
この灼熱の乾いた街をお前を探して。
我慢も、未来も、何も要らない。
ただ今だけは俺の全てを、
お前の幻、に──
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