二人の過去

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翌日。 学校へ登校すると… 『佐竹君て実は女の子って聞いたけど本当?』 『えー?オカマって言ってたよ』 『女の子に憧れてるんだってー!』 『本当の名前ミツ子って言うらしい』 既にそんな噂話しがクラス中に広まっていた。 そんな噂を流したヤツは一人しかいない… 『お前、嘘の情報流すんじゃねぇよ』 『何言ってんだよ。ホントの事だろ?』 そう言ってボスはニマッと笑みを作る。 『ミツのどこがオンナなんだよ』 『見た目だよ、見た目。それにミツヒデ本人は否定してなかっただろ?ってことはオンナだって認めてんのと一緒じゃん』 『違うって言ってんのがわかんねーの?…なんか、お前のほうがオンナみてぇ。いや、ガキだな』 『…はぁ?』 『いつもミツに勝てないからって、嘘の情報流して勝ったような顔してさ』 『…っ、うるせぇ!!』 突然、ボスは声を荒げライムを睨んだ。 『いつもミツヒデに頼ってるお前見てるとイライラすんだよ!ミツヒデも正義感ぶっちゃってバカじゃねぇの?そういうのムカつくんだよ!』 バンッー!! ボスはライムの肩を思いきり張り飛ばし、その反動でライムは背後にあった壁まで吹っ飛ばされた。 『ってぇ…。オレだってお前のそういう面倒くさいところがムカつくんだよ!』 負けじとライムもボスに飛びかかる。 次第に二人の声が廊下に響き渡ると、教室から生徒たちが何事かと次顔を覗き始めた。 『ライム何やってんだよ!』 騒ぎに気づいた佐竹は、慌てながら背後からライムを掴み抑え、ボスから引き離そうとする。 『こいつ、ミツのこと悪く言うんだ!ぜってー許さねぇ!!』 『そんなのオレ気にしてないから!』 興奮が冷め止まないでいるライムは佐竹に抑え込まれたままボスをギロッと睨みつけた。 けれどボスはライムに敵対することはせず、佐竹に視線を向けた。
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