隣の席の男の子

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昼休み。 梅と七恵はお昼ご飯を買いに購買へ向かった。 が、すでに売り場の周りは腹を空かせた学生達で埋め尽くされていた。 人だかりの後ろへ並んでいると、あっという間に二人の後ろに学生が並び始め、気づけば左右前後から押しつぶされていく。 (や…やば。マスクのせいで余計息苦しい) これは病み上がりにはキツイ。 お弁当持ってくればよかったと後悔。 もみくちゃにされていると、隣からカチッと何かのスイッチが入ったような音がした…気がした。 「あたしのいちごパーン!!」 突然、人だかりの中で七恵が叫んだ。 さっきのスイッチ音はどうやら七恵の戦闘モード発動音だったようだ。 彼女はロング髪を獅子舞のように振りながら人をかき分けていった。 (相変わらず、食べ物のことになるとスゴイな…) 普段おっとりしてるのに昼になると変貌する七恵。 梅はというと、その場からなかなか動けずにいた。 (あ…っ、まずい。頭クラクラしてきた) いつもならこんな人混み耐えられてるのに。 けど、今日に限っていつもより混雑してるような…? いや、そんなことより、今はこの人だかりから脱出しないと。 飢える前に死んでしまいそうだ。 (七恵に頼めばよかった…) 戦闘モード中の今の彼女ならきっと余裕で購入できたはずだ。 「はぁ…」 人混みから離れた場所で呼吸を整えながら、梅は心の中で「あたしのちくわパンーーー!」と叫んだ。 そんな時、 「梅沢さんどうしたの?」 声のした方へ視線を向けると佐竹とライムが立っていた。 今日はこの二人をよく見る。
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