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気付いた時には父も母も
いなかった。
いつも薄暗い蔵の中に居た。
食事はもらえない日のほうが多かった。
夜になると数人の男たちが
自分を好きなようにした。
殴る者、刀で切りつける者、抱いていく者・・・
さまざまだった。
最初のうちは抵抗もしたが、
抵抗すればするほどその後何倍にもなって
返ってきた。
そうするうちに人形のように感情をなくした。
なにをされても泣きも笑いもせず・・・
もちろん会話をする相手すらいない。
そんな日々が続いたある日、
いつものように数人の男がやってきた。
その男たちはひどく酔っ払っていた。
「ぅい~・・・お前も哀れな奴だよな~。
こぉんな所で俺らのウサ晴らしのために・・・よっ!」
いきなり殴りつける。
酒が入り饒舌になっている。
「本当だったらあの山奥でひっそり
家族仲睦まじく暮らしてたはずなのになぁ!
お頭に里を見つけられたのが不運だったな。」
「まぁ俺らにしちゃあ幸運だがな。
うへへ・・・こんな上玉普通じゃ相手に
してもらえねぇしな・・・」
喋りながらも朔の身体を弄ぶ。
「はっ!どんなに強ぇ鬼の一族でも
子どもを盾にとられちゃあ、手も足もでねぇか。
しかも一族の姫ともなると余計に・・・・」
ぴくり
今まで何をされても反応のなかった身体が
動いた。
「ひ・・・め?
お・・・に・・・・・
み・・んな・・」
擦れた小さな呟き・・・
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