ふたつ ~名前~

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全員の視線が集まる中、土方が口を開いた。 「おい、ガキ。なんであんな所にいやがった。 近くで死んでた浪士はてめえがやったのか? その狼はなんなんだ。」 早口でまくしたてる土方に 「あ・・・」 怯え、震えていた。 そこに山南が助け舟を出す。 「まあまあ、土方君。そんなにいっぺんには 答えられないよ。 まずはその身なりをなんとかしようか。」 そう言うと先ほど平助が持ってきた手ぬぐいで 顔を拭いてやろうとした。 と、その時突然 シュッ…と風を切る音と共に 山南の手から血がでてきた。 「っ!!てめえ!!何しやがる!!」 土方は一気に間をつめ、その者を押さえつける。 そう、顔を拭こうとした山南の手を引っ掻いたのだ。
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