ひとつ ~出会い~

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「うわあ・・・ これは酷いですねえ。」 中性的な顔でにこにこと話す男。 その横でしかめっ面の男がため息交じりに言う。 「・・・総司、もうちょい緊張感ある顔しろ。」 総司――― 名を沖田総司、壬生浪士組の隊士で見た目だけなら可愛らしい青年・・・ だが、剣を振るえば修羅と化す。 「え~、土方さんこそ その眉間のしわ、なんとかしてくださいよ~」 土方――― 名を土方歳三、同じく壬生浪士組の副長である。 かなりの美丈夫で道を歩けば引く手数多。 剣の腕は確かだが、卑怯な手も使う。 本人曰く、勝ったモン勝ち・・・である。 二人は今、町外れに来ている。 そこには無残にも喉をひきちぎられ、死んでいる浪士がいた。 「はあ・・めんどくせえな。 おい、あとは役所の仕事だ。 行くぞ、・・・・・・・・・・総司!」 土方は踵を返して屯所に戻っていく。 .
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