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時折、大樹や美香から話しかけられ相づちを打つものの、颯太郎とは殆ど会話を交わすこともない。
(‥んあぁ!もう無理っ!!)
自分の限界を感じ、美香を半強制的にトイレに連行して、この状況の説明を求めた。
『どういうことっ!?私にも理解できるように説明して!』
あまりの剣幕にさすがの美香も
苦笑いしつつも、
『ほらぁ、あんまり怒ると眉間が~、美人が台無しだぞっ。』
『誰がこんな顔にしてくれてるのよっ!』
『分かったよぉ~。いきなり連れて来たのは謝るぅ。でも、こうでもしないと茉莉ちゃん絶対来ないでしょ?
前々から大くんと話してたんだよね、茉莉ちゃんと颯太郎くんは同じ匂いがするって~
二人とも自分にどこか壁作ってて、前に進めないでいる。
だから、二人のことが大好きな私たちは一回会わせてみよう的な感じになったわけ。』
『…心配してくれてるのは、分かった。
でもー。』
美香の気持ちは嬉しかった。確かに私は自分の心の内を誰かにさらけ出すことが苦手で、どこか他の人と距離を置くところがある…。
『それだけじゃないのよぉー?いい加減、佐伯部長との関係も精算してほしいのっ!』
『っ!!?知ってたの?』
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