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『あー!二人とも遅いよ~!』
席に戻ると、大樹が片手を挙げながら言った。
『ごめん~!女の子のお手洗いは時間がかかるものなのっ、ね?』
美香が大樹に謝りながら、茉莉に軽くウインクをした。
茉莉も苦笑いしながら同意し、颯太郎の隣に座った。
颯太郎はというと、ちらっとこっちを見て、またマイペースに飲んでいる。
颯太郎との進展は考えられないが、せっかくの美香の気持ちに応えようと空になったグラスを横に避けてメニューをとった。
『次は何飲もうかな~?』
『美香も~!』
意外とお酒に強い美香も身を乗り出し、焼酎?ワイン?と次々に注文し、グラスを空けていったー。
次第に楽しい気分になっていく茉莉は、『茉莉ちゃん、いい飲みっぷり!』と煽る大樹と『おいっもう止めておけよ。』と顔を引きつらせる颯太郎とのやり取りを聞き流しながら、美香と盛り上がっていったー。
茉莉の意識はここまでで途絶えたー。
意識がもうろうとする…ふわっと身体が浮いたと思ったら、温かいぬくもりを感じた。
ーすごく安心する…私はそのぬくもりを抱き寄せながら、懐かしさに包まれていたー。
『ふっ、変なやつ…』
心地よい声が聞こえた気がした…
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