気になるは好きのはじまり?

2/16
93人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ
「~♪~♪~♪~」 携帯の着メロがぼやけた頭に聞こえてくる… 『ぅうーん。うるさいなぁ…。』 現実と夢の間で、その音を無視しようとするが、相手はなかなかの強者。何度も繰り返し音を鳴らしてくる。 さすがに、起きないとまずいか?と自分自身に問い、うっすらと閉じていた瞼を開けた。 カーテンの隙間から日の光が入ってくる感じと、ガンガンする頭にもう一度瞼を閉じたくなるー。 両手をおでこに当て、抵抗するかのように目を覚ました私は、見慣れない天井に頭に?マークを点滅させる。 (ここはどこ?私はいったい…) 少し混乱気味になる頭を押さえつつ、身体を起こした。 どこかの寝室であろうか、黒で統一された品のある部屋。 部屋を見渡し、自分の横に誰かいるのに気がついた。 『えっ!?』 その人物はこちらに背を向け、まだ夢の中のようだ… いよいよ混乱してきた頭を両手で押さえ、今度は自分の姿に驚愕した。 『えぇ~!?』 慌てて布団を被ると、寝ながらもう一度自分の姿を見る。 キャミソールと下着しか着ていない…。 (これはもしかすると、もしかする?) 茉莉は昨日の記憶を必死に手繰り寄せようとする。 (隣で寝ているのは、美香の彼氏の大樹さんの同期の颯太郎さんだよね?) 彼の名前を思い出し、顔だけを颯太郎の方に向ける。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!