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「~♪~♪~♪~」
うっすらとボヤける意識の中で、携帯の着メロだろうか、軽快なメロディが流れる。
目を開けると、いつもの天井。
(あぁ…。今何時だ?)
壁に掛けてある時計の時間を見ようと起き上がる。
『ぅう~ん。うるさいなぁ…。』
今だに鳴り響く自分の携帯にだろう。布団を深く被る茉莉の姿に昨日からの出来事を思い出した。
(そういえば、あのまま寝たんだっけ。…とりあえず、寝たふりしとくか。)
茉莉がモゾモゾと動く様子に、そろそろ起き上がることを察知し、様子を伺う為に背中を向けて寝転がることにした。
背中の方から茉莉の起き上がる気配を感じる。
(こいつ、昨日のこと覚えてんのか?)
『えっ!?』
『え~っ!!?』
俺が隣にいることに動揺したのと、そして恐らく自分の姿に驚いたのだろう。
颯太郎は茉莉の焦っているであろう表情を想像し、込み上げてくる笑いに耐える。
(~もう少し、からかってみるか。)
茉莉がパニックになっている隙に彼女の方に寝返りをうつと、バチっと目が合う。
想像以上の百面相に思わず心の声が漏れていた。
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