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『ふっ、すげー顔!』
茉莉は俺に苦笑いを浮かべる。
『おっおはようございます…。』
『あぁ、おはよう。』
挨拶をすると、俺は腕を伸ばしながら起き上がる。
さすがに昨日の運搬作業(?)で肩や腕の違和感を感じ、軽くストレッチをしながらベッドを降りる。
『あのぉ~、私は何故ここに?』
茉莉の顔を見ると完全に混乱している。
(本当に何にも覚えてないな、こいつ。)
『ふ~ん、何にも覚えてないの?』
何にも覚えてない茉莉に苛立ちを感じた颯太郎はわざと含みをもたせるような言い方をした。
『あっ、あの…やっぱりしちゃったの?ごめんなさいっ私、お店の途中から記憶なくて…』
茉莉は慌てて、正座をして俺に向かって必死に話し出す。その一生懸命な姿に堪えていたものが一気に吹き出した。
『ぶわっはっはぁ~くっく、もうだめだっ!おまえマジ笑わせてくれるよ。』
茉莉はそんな俺に唖然として、「え?今のどこに笑いのツボが?」と目をぱちくりさせている。
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