ジャスミン

嵌められた男と女。

『そういえば、彼氏は大丈夫なの？』

更衣室で着替えながら、美香には毎週末のように会っている付き合って3年になる彼氏がいることを思い出した。

～そうだから、金曜日に美香から誘いがくるなんて珍しいのだ。

『ん？ふふっ大丈夫よん♪』

怪しすぎる笑みを浮かべながら、ご機嫌な様子で身支度を整え、コンパクトにまとめた化粧ポーチから次々に化粧品を出して、更にパワーアップしていく美香だった。

その様子に首を傾げながら、仕事の邪魔にならないように、一つにまとめていたシュシュをほどき、肩より少し長い癖のない自然な黒色の髪を手ぐしで軽く整えた。