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『ここだよ~!』
美香が一軒の居酒屋の前で止まった。
大手チェーンの誰もが知っているお店で会社からも、歩いて10分くらいしか離れていない繁華街にある場所だ。
女子二人でここは入りずらいな~と少し拍子抜けしながらも、美香に続き、店のドアをくぐった。
店は週末とあってかなり賑わっており、店員さんたちの「いっらしゃいませ~!!」のかけ声に若干、身体が後ろ側に反ってしまいつつ、
これは待ち時間あるんじゃないかな?と美香の顔を伺った。
…が何にも動揺している様子もなく、近くにいた店員さんに
『連れが先にいるんです~。』
なんて意味不明な言葉を発している。
『えっ!?連れって何?二人で飲むんじゃないの?!』
てっきり美香と二人で飲むとばかり思っていた私はビックリして美香の腕を掴んだ。
『えぇ~二人なんて言ってないよぉ、美香と一緒に楽しくわいわい飲もうって言ったでしょ~(^^)』
私の言葉に全く動じることなく、美香はさらっと言い、目的の場所を見つけたのか、満面の笑顔で手を振りながら近寄って行った。
『みっかり~んっ!』
個室のように仕切られているスペースの入口からまた同様に満面の笑顔で手を振る甘いマスクのイケメン。
美香に続き部屋に入るとちらっとこっちに会釈しただけで、仏頂面で生ビールを飲み続けるまたイケメン…。
…完全にやられたぁ!と美香の顔を見るもちゃっかり甘いマスクのイケメンの横に座りラブラブモードw
私にはこの仏頂面のイケメンの横しか選択肢は残されていないようで、会釈しながら座った。
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