プロローグ

3/12
前へ
/35ページ
次へ
「うわぁぁぁ!?」 学園内に、ちょっと野太い叫び声が轟いた。 「かっ、会議に遅刻するうぅうわっ!?」 あるひとりの青年が、廊下を全力で駆けていた。 ドンッ そして、学生にぶつかった。 「うわっ!?」 「いっ…………たたた…………はっ!!ごめん!怪我ない!?」 「あ、平気……っす」 「そっか、ごめんねっ!体痛くなったら言ってね!ちゃんと責任は取るから!じゃっ!!」 「あ、先生…………早ぇ…………てか走っちゃ駄目だろ」 残された生徒は、はぁと溜息をついた。 「はぁっ、はあ……」 ある一人の教師が、廊下を猛ダッシュしていた。 彼の名前は赤山正-アカヤマ タダシ-26歳。 今は会議に遅刻しかけているが、普段は仕事を完璧にこなす優秀な国語教師。イケメンなのにドMなのが玉に傷。 「あっ、赤山先生走ってるー」 「いっけないんだーww」 「会議に遅刻しそうなんだぁ、許して☆」 「遅刻?ちゃんと時間管理しなよーっ」 「えへー」 彼は天真爛漫な性格からか、生徒からの人望は厚い。 「……はっ!!ち、遅刻遅刻ーっ!!」 「頑張ってー!」 「ありがとー…………いでっ!……柱か……」 …………そして、割とドジっ子だ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加