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会議室中の全教員が一斉に赤山に目を向けた。
「すみませんっ、遅くなっちゃいましたぁ」
しかし、赤山はそんなことは気にも留めずにへらっと笑った。
…………そんな彼に、一人の男が近付いた。
「3分前……ギリギリセーフだな」
「えへーっ」
「えへーっ、じゃあねぇだろボケぃ」
「ふぎゃす」
そして、頭を遠慮なくグーで殴った。
この男は青山仁-アオヤマ ヒトシ-大体40歳(つまりは赤山の大先輩)。数学科。
いい年こいておきながら肩くらいまで伸ばした水色の髪で、左のこれまた蒼く澄み渡った瞳を隠すという痛々しい容姿をしている。中身も厨二病というハイパー痛々しい系おじさん。
しかし、彼自身中学生にも見える程の童顔なので、大して問題視されない。
「……今、誰か俺のことおじさんて言ったろ」
「誰も言ってないよっ!?」
「いや言った」
「言ってないよ」
「言った!」
「言ってない!」
そして、怖いくらいにおじさんという言葉に敏感。
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