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電話の向こう側は賑やかで、またどこかの繁華街だろう。
こうして今夜もまた何処かで遊んだ後タクシーがわりに呼び出され、いいように利用されている。
誰と遊んでいたかは問題じゃない。
この時間に呼び出されたってことは、その誰かさんは御役御免ってことなんだから。
指定された場所で彼女を拾った。
「ごめんね、純。
ありがと。」
これだ、この笑顔。
少なくとも今だけは僕にだけ向けられている笑顔。
そう思うとさっきまでの沈んだ気持ちも吹っ飛んでしまう。
「綾、楽しかったかい。」
「うーん、まあまあかなあ。
料理は美味しかったし。」
「まあまあなんだ。
ねえ、今度二人で飲みに行かない?」
「あ、いいわね、何処に連れてってくれるの?
あ、でも…しばらく予定入ってるから、調整して連絡するね。」
「うん、わかった。」
でもこれで、今まで連絡が来たためしがない。
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