さよなら

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部室に到着。 運動部だから体操着に着替え、外周に行った。 普通に走っていると、段々身体が火照ってきて、汗が出ないせいか頬は真っ赤っか。 林檎のようだ。 発汗し始めると、次第に頬の色は普通になってきた。 転んで泥だらけになろうが、むしろそれが過ぎるのが、どこか寂しく思えた。 部活の友達と、朝練を済まして、三階にある教室へとベタな挨拶をせず、黙ってIN。 机に重たい鞄を置くと、椅子に腰かけた。 ふと左を向くと、そこにはここでしか見れない、窓の外の景色が教室の端と共に広がっていた。 疲れも何もかもが、癒された気分だった。 けど、とつじょ元気な挨拶と共に、身体が激しく強く揺れる。 振り向くと、そこには友達。 ああ、私は一人じゃないんだね。 初めてじゃないのに、なんだか新鮮な気分の“嬉しい”だった。 そして自分も返す、「おはよう」と。 SHRが終わると、授業を行う。 一時間目数学、二時間目体育、三時間目国語、四時間目美術。 どれも普通に行っていた。 いや、皆よりも劣ってたかな。 でも、それが自分なんだと現実を受け入れ、劣っている自分を褒めた。 誰の色にも染まってなくて良かったね。
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