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【このアマ、ぶっ殺してやる】
ヒールが当たった男が激怒してる。
あ。やばい。
ダッシュで角を曲がり身を隠す。
ダダダッ。
ダダダッ。
ちょっと、ここを戦場にでもする気なの?
【殺す】
これじゃ近寄れない。
また走る。
身を隠せる場所がない。
せめて5メートル先の次の曲がり角まで当たらないことを祈るしかない。
(姉ちゃん!伏せて、絶対に目を開けるなよ!)
イン?
アタシが曲がるはずの場所から、インが自転車に乗って飛び出してきた。
変なゴーグルをかけて。
とっさに伏せる。
「くらえっ!」
そう言った直後に閉じた瞼が明るくなるのが分かった。
【ぐぁっ、なんだこれは】
背後でダダダッと一度だけ聞こえて、静かになった。
「もういいよー」
とイン。
目を開けて起き上がる。
さっきの男が大の字になってのびている。
「なんとか生きてたのね?」
「なんとか…ね」
「これで全員?」
「あと1人いる」
「そろそろ警察もくるだろうから警察に任せよう」
「それは無理。相手はSランクの準神持ちだもの。警察皆殺しにされちゃう」
そう。相手の思考が読める準神持ちがサブマシンガンなんか持ってたら、それこそ無敵スター状態。死体の山が出来上がる。
イヤホンから連絡が入る。
応援が到着したようだ。
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