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いつもどおり、学校の帰りに三人で遊んでいるときだった。
最近は、忍者ごっこに凝っていた。
最初は、”石つぶて”と叫んで、その辺にある小石を拾って、適当に投げていたが、そのうち、手裏剣が欲しくなる。
そこで、バヤがあることを思いついた。
バヤの家は、国鉄の線路脇の分譲住宅だった。よく線路のレールの上に小石を並べて、電車の車輪で砕かれるのを遠くで見ていた。砕かれる瞬間が堪らなく快感だった。
バヤが五寸釘をレールの上に載せることを思いついたのだ。
これが決まった。電車が通ったあと、五寸釘は薄っぺらになり、見事に手裏剣になったのだ。
バヤがやり方を見せるとばかり、得意げになり、それを見たふたりは狂喜した。
電車は20分置きに走っていたので、釘を拾ってくるのに夢中になった。
道に落ちている古釘や、廃屋に潜って取ってきた。
三人は大量に釘を集めて、手裏剣作りに専念した。
出来上がった手裏剣を木や川に向けて、投げて遊んでいた。さすがに人に向けることはしなかった。危ないということが分かっていた。
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