プロローグ

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私が突拍子も無いこの任務を受けて日本に来てからの一年間は何の情報も得られず、焦りにも似たような感情と馬鹿馬鹿しいと嘲るような感情に支配されていた。 しかし一年を過ぎた頃から鬼一族の情報がちらほらと入って来た。 ほとんどが信憑性の薄い情報だったが、私を浮き足立たせる情報が入って来た。 大佐と交戦したであろう鬼の情報が入ったのだ。 大佐の部隊と一人で戦った鬼は大日本帝国陸軍士官"サカモト大尉"といった。 間違いない無くかの地に赴任し大佐との部隊と交戦した記録があった。 サカモト大尉の部隊は壊滅的な被害を受けていて、生存者は僅かだったが生き残った兵士の話からすると確かにサカモト大尉はあの日に一人で出陣したという。 「アメ公に部下をここまで殺されちゃあ黙っちゃおれん!わしがアメ公に目にものを見せてやるけぇ、楽しみに待っとれよ!」 「けどの………………お前は生きて日本の土を踏めりゃええの…………じゃあな」 と言い残し負傷し陣に残された彼に最後の挨拶をして一人で行ったという。 サカモト大尉を尊敬していた彼は口が硬く他に情報は得られなかったが、彼の不用意に放った一言が鬼に関しての信憑性が高まった。 サカモト大尉はよく私らに椰子の実をその場から、それはバッタみたいに飛び上がって採ってくれた」 何と、サカモト大尉は3メートル程の高さに成った椰子の身をジャンプして取ったと言うのだ。 とても信じられない話しだが、私は大佐からサカモト大尉なる者の戦闘を事細かく聞いていたので信じるに値する情報だと確信した。 私はこの情報を得てから精力的に日本中を廻り情報の収集に尽力した。
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