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「戦争の初戦は日本軍が連合国を圧倒し私達は更に熱狂し日本の勝利は間違いないと確信していました。その事もあり私の弟が……」
竹中は声を震わせ話していた。
「私の……私の弟が外交員としてドイツに赴任していた時、一族の地位を確固たる物にする為にナチスドイツへ我が一族と銀炎の情報を漏らしました…………」
「なるほどのう、そしてドイツが負けてアメリカに情報が渡ったということじゃな」
「一族秘中の銀炎まで喋るとは……申し訳……申し訳ございませんでした……」
竹中の目に溢れんばかりに溜まっていた涙は次々にこぼれ落ち両の頬を静かに濡らした。
「これ竹中よ、泣くでない。わらわまで悲しくなってしまうわ」
あの大東亜戦争という熱狂に晒されて、当時の日本人の誰が逆らえたというのか。
日本人は皆、大東亜の解放を信じ、また大日本帝国の勝利を信じた。
無論それは鬼一族も例外ではなく戦争の勝利を信じた。
「のう竹中よ……月夜もわらわも、そなた達を責めはせぬぞ。」
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