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「真神さん」
名前を呼んだ俺を見上げる真神さん。俺は最近少しだけ身長が伸びて、服のサイズがLサイズに変わっていた。そのため、俺と真神さんとの身長には差があった。ちなみに、真神さんの身長は、モーニング娘の全盛期の頃のミニモニの4人組の身長だった。
「真神さん、友達では駄目かな?」
真神さんの目からは、更に涙が流れだした。俺は、美貴からのプロポーズの返事をしていないという劣等感から、この一言を口にした。
肩を震わせながらも、声を出して泣くまいとしている真神さんを見ているのが、とてつもなく辛かった。
「やっぱり駄目ですか。そうですよね、私ってバカですよね。すいません。」
・・・俺はどう答えたらよかったのだろう。
「駄目というか、さ・・・。」
言葉が続かない。
「駄目というか・・・さ」
続く言葉が出てこない。その間にも、真神さんは言葉で自分を責め続けている。真神さんの体は棒のようにまっすぐの状態で、ただ前を向いた状態で。
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