そばにいる

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 私は、お決まりの言葉を言って、店を出ようとした。しかし、あるものが目に留まった。 それは、背もたれが仔馬になっている椅子で、丸太を削って作られていた。座る部分は、椅子の真ん中が半分くらい割れていて、足を開いて座るのに適していた。  「恋愛の事で悩んでますね。彼氏さんからいきなり別れでも切りだされましたか?」  当てられてしまった・・・。  「図星のようですね。まぁ、この椅子には不思議とそういった方が来ますから。今回もそうだと思って言ってみたら、偶然当たっただけです。ですが、あなたは少し違うように感じます」  少し違う?何が違うというのだろう。  「何が違う感じがするんですか?確かに別れを切り出されましたけど、それ以外に何か感じるんですか?」  「その、なんといいますか、あなたには、近い時期に幸せになれる出来事が起こる気がします。うまくは言えませんが・・」  夏樹から、別れ話をされて、その事でケンカして、新しい恋愛なんて、したくないって思ってる私に幸せなことが起きるなんて、そんなわけない。  「そんなこと、いきなり言われたって、信じられません」  そう、信じられない。  「まぁまぁ、気休めだと思って聞いてください。幸せになるためには、今から言う事をしてください。まずは、ピンク色の石を集めること。その石で、ブレスレットを作ることそして、一人で居酒屋に行って、酔いつぶれること。それで幸せになれる出来事が訪れます。」  そんなことで、幸せになれる出来事がおこるのか、正直疑問だったが、信じてみることした。  「わかりました。アドバイスありがとうございました」
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