そばにいる

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 俺は、美貴に別れを告げたときの事を後悔した。こういう風に会ってしまうと、どうしたらいいか分からない。    目線を下に向けて、後ろ向いた。 「・・・元気・・・して・た?」  美紀が声を掛けてきた事に驚いた。僕は美紀の方を向く。そんな美紀も戸惑っていた。  「元気かって聞かれたら、元気っては言えない。  「やっぱりね。顔に出てるよ夏樹」  顔に出してるつもりはないのに出ていたなんて。  「女の勘だけど、さよならって真神さんからでも言われたんでしょ」  当てられた事に、心の中で驚いた。  「夏樹は優しいから、誰かがケガをしたりするとほっとけないタイプの人間なの。それで、その時の感情でその人に尽くしてしまうんだから。前にもそんなことがあったのを、今思い出したわよ」  そんなことを言っている美紀は笑っていた。  「私は、夏樹のそういう所が好きだったんだって、なつきと別れて考えて、改めて実感したわよ。だって、それがなつきのいいところであって、悪いところなの。でも夏樹らしくて、いいと思うの」  前にそんなことがあっただろうか。思い出せない。  「私はまた夏樹と付き合いたいと思ってる。この気持は変わらない。もう一度付き合ってほしい」  
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