茜空

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部屋に戻ると、スマホが光ってるのが見えた。 メール。 開くと、クラスメイトから。 理雄が目を覚ました。 画面を見て、思わず滲む視界。 良かった・・・良かった・・・・本当に良かった。 理雄が目を覚ました事を知って心から安堵した。 不安だった。 このまま目を覚まさなかったら・・・ そんな事ないと自分に言い聞かせながら、どこかで万が一と言う思いを拭い去れなかったから、本当に安打した。 そして、再び不安になる。 俺はあの時理雄の手を振り払った。 俺にそんなつもりはなかったけれど、理雄にとってみれば拒絶されたも同じととれる俺の行動。 俺が目を覚ました理雄に会いに行っていいのか? 明日、目的に着く。 自転車は配送するようになってるから、明後日には帰れる。 でも、そのまま理雄に会いに行けるのか? 俺は理雄に何て言える? 理雄のあんな悲しそうな眼を見たのは、あの時が初めてだった。 あんな顔をさせた俺に会いたいと思うだろうか。 答えが出ないまま、最後の朝を迎えた。 そういや、俺気になってる子の事、ちっとも考えてないや。 頭ん中、理雄でいっぱいになってる。 ふと可笑しくなって笑いが漏れる。 すげぇな。 理雄が居ないのに、理雄の事ばっかり。 好きだったかもしれない女子の事なんて、これっぽっちも頭ん中浮かびもしない。 これじゃ、俺が理雄を好きみたいだ・・・・ あ、いや、違う。 この感情は友達としての好きだ。 うん、絶対そうだ。 目ぇ覚ました理雄もおんなじ事言ってくんないかな。 あれは友達としての好きだぜって。 そしてたら、これから先もずっと理雄とやってけるのに。
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