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「ねぇ、桜花…ちゃん…?これからどうするの?」
僕は心配なことが1つあった。
桜花はちゃんと家に帰ることが出来るのか?
それが心配だった。
「…それよりここはどこ?それがわからないことにはどうにもならないよ…」
虚像の楽園の事を口外してもいいのだろうか?
…いいか悪いかじゃない…桜花が帰れるか帰れないか…だ。
僕は虚像の楽園の事を桜花に話すことにした。
「桜花ちゃん、ここはね『虚像の楽園』なんだ。僕みたいな能力者が人間から逃れるための楽園なんだよ。」
「……どうして私はそんなところにいるの?能力者?よくわからない…」
「虚像の楽園の回りには結界が張ってあるんだ。だから人間は入ってこれないはずなんだけど…」
「あたし、早く帰りたい…」
そういった瞬間、周りがだんだん明るくなってきた。
ランプの光が強くなったのかな?と思ってたけど違った。
光を放っているのは…
桜花だ。
「なんなの?これ…体が光って…」
「桜花!!!!!!!!」
叫びながら手を伸ばしたが桜花はだんだん暗い空の上に上がっていく。
「きゃあああああぁぁぁぁ…」
桜花の悲鳴も次第に小さくなり、ついには聞こえなくなってしまった。
僕の頬は涙でいっぱいだった。
「もう一度…会いたいよ…桜花…」
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