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「美衣~!一緒に帰ろう!」
「うん!」
真姫ちゃんとお話してから私たちは仲直りをして、今ではこうやって元通りになった。
「今日は、林くんいいの?」
「直哉?直哉はいいの!美衣の方が大事だからね。」
「あ~、林くん可哀想~。」
「あははっ。嘘だよ、直哉は今日部活で遅くなるの。だから、先に帰ってていいよって。」
「そっか。じゃあ、帰ろう。」
「うん。あっ、クレープ食べて帰らない?なんか食べたい気分。」
「いいよ。私も食べたいし。」
「よし!さすが美衣だ!」
話をしながら階段を下りて、玄関に到着した。
靴に履き替えて、外に出ると
「あ……、雨だ。」
全然気がつかなかった。
いつから雨が降っていたんだろう。
「うそぉ~、最悪。傘持ってないよ~。」
ママに迎えに来てもらおうかな、と携帯を鞄から出す真姫ちゃん。
「あ、ママ?雨降ってて、私傘持ってないんだけど……。うん、うん。……わかった、はーい。」
真姫ちゃんの声しか聞いていないけど、その声を聞く限り答えはたぶん……
「今から来てくれるって!」
うん、やっぱり。
「そっか、よかったね。」
「美衣も乗って行きなよ!大変でしょ?」
「ううん、大丈夫だよ。傘あるし、真姫ちゃんのお母さんに悪いし。」
気を遣われるのに慣れていないし、気を遣うのも慣れてないから、断った。
傘を持っているのも本当だし、家までそんなに遠くないから。
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