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残りの弾を打ち切った事に、目を見開きようやく気付いた様子の男。
男はとっさに近接戦闘の構えをした。
だが…遅い!
「はぁぁっ!」
慄いた様子の男に、俺は容赦無く蹴りを鳩尾に入れた。
ボーリングのピンのようにぶっ飛ばされた男は床でのたうちまわる。
……拳銃の扱い方からみてこいつはかなり下っ端だな。残りの弾数を把握してないなんて。
俺は足早にその部屋から出ようとした。
早く移動しないと、何のために拳銃を使わなかったのかわからないよな。
元々、隠密行動で出来るだけ、疾
と
きこと風の如く・知りがたきこと陰の如くだったのだが……。
どうも上手くいかなかった。
あんなところでくしゃみして敵に見つかるなんて……。ツイてない。
廊下に出るとさっきまで点いていなかった蛍光灯が明明とついていた。少し騒がしい気もする。
近くの階段に向かって走り抜け、階上に耳を澄ます。
目標の階は9階。今は7階。俺は階段で上がることにしていた。
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