第一章 そのきっかけ

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 「わかってる」  危険なのは当たり前で、湊が言いたいことはそういう事じゃない。  これだけ湊と通信していて、誰1人敵が来ないことだ。  普段のミッションでは、敵が有象無象に寄って来て戦いながらの通信になるのに。  馬鹿なのか。あるいは……この企業に雇われた攻撃系の能力者がいるのか。  8階に上がるとさっきまでの騒がしい様な雰囲気がなくなり、誰1人いなかった。  若干歓迎されているのかな。  俺は湊の指示通りそのままそのビルの最上階に到着した。  目的の部屋は9階の最も広い部屋。かなり大きめの会議室だ。  そこのパソコンのデータを盗むのが今回のミッションの目的である。  俺は最大限に警戒してそこに入った。 ~~~~~~~  部屋には明かりが点いていた。  俺はさっと周りを見渡す。  その前方には大きなスクリーン、机が少しあるくらいで後は何もなかった。  そしてーー見つけた。  スクリーンの前に立っている男を。  体格がかなり良く、短髪。スーツを身に纏って、携帯で電話をしている。
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