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キーンコーンカーンコーン
テスト終了を告げるチャイムが鳴り響き、俺はペンを置いた。
終わった。今回も無事に赤点ギリギリ回避できた……はず。
回答用紙を前に送り、家に帰るためカバンの中身を整理する。
「おーい、神田ぁ。ペンと消しゴム持ってこーい」
誰かなんか言ってるけど無視無視。トイレ行ってこよう。
席を立ち、教室の後ろのドアに手をかける。すると、教卓の後ろに立っていた先生が近づいてくる。
身長182cmもある先生が近づいて来ると軽く見上げてしまう。
「おい神田。どこ行くんだ?」
「え?トイレですけど……行っちゃいけないんですか?」
やべ、軽く漏れそう。こんなところで先生に絡まれてる暇なんか無いのに。
「先生、ちょっともう漏れそうなんでトイレ行きたいんです。邪魔しないでください」
先生はため息をついた。
「漏れそうなのか……まあ行ってもいいけどその前に出席番号書き間違えてるぞ。直してから行って来い」
「へーい」
直せばいいんだろ直せば。
トイレに行きたいってのに……
教卓の真ん前に座っている小鳥遊からシャーペンを借り番号を直す。
1年5組13番神田春馬っと。
「じゃ、直したんで行ってきます」
そう言って俺は教室を後にした。
ーチリリン
どこかで風鈴の音がした。
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