予兆

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「……え?私が?」 「うん、君が。と言うわけでよろしく頼むよ、メイリィ准尉」 動揺するユナを尻目に少しふざけて返してみる。 ユナが動揺するのも無理はない。何故なら、今回の任務は上の階級の軍人ばかりだからだ。 少尉の俺でさえ呼ばれたのが不思議なくらいだ。もちろん俺が再下級だ。 その任務に准尉のユナが追加されたのは俺でも不思議な事だ。 「……えぇ!?」 ……うん、いい反応だ。 その驚いた様子にニヤニヤしながら椅子から立ち上がると、二人分の食器を重ねてシンクに持っていく。 食器をシンクへ置いて袖を捲ると、蛇口から水を流し出す。 「諜報任務かぁ……ユウキみたいなバカじゃないから変なミスしたりはしないと思うんだけど……」 「おい、それどういう意味だ」 失礼な言葉を浴びせられ大分心外なのですぐそこにあったたわしを投げつけてみる。 「甘いッ!」 「チッ……軍人の反射神経……!」 俺の手から放たれたたわしは回転しながら綺麗な軌道で真っ直ぐとユナめがけて飛んでいくが、素晴らしく憎たらしい反射神経で軽々とかわされる。 小さく舌打ちしながら呟くと、皿洗いを再開する。 「こんな茶番やってないで、明日の事確認したらどうだ?俺ブリーフィングルームCってどこだか分かんないんだけど」 ユナが拾い上げて俺に向けて投げ返したたわしをキャッチすると、たわしを元の場所に戻してユナに話しかける。 「そうだね、私達が使うのはDとEばっかだからね」 俺の言葉に返事すると、再び端末を手にとり何かしだす。恐らく城の地図を開こうとしてるんだろう。 「あった、4階のはじっこだ」 「どこどこ?」 しばらくしてからユナが声を出す。皿洗いを終わらせた俺はパパッと手を拭いてユナに駆けつける。 「ここ。第2格技室のとこの通路まっすぐいったとこ」
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