エピローグ

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「なぁ、覚えてる?」 「ん?」 やっと繋がった思い。 ただ私が逃げ出してしまったが為に、遠回りした。 「俺が訊いた、――花言葉」 「あ、うん」 あの時は、不審者だと思ったし腹が立った。偉そうで無口で、無愛想。 『キキョウの花言葉を、教えてくれないか?』 『変わらぬ恋』、って伝えたんだ。 「お前、――間違えてるよ」 「えっ? っわ!」 朔さんに両肩を捕まれて、急に方向転換された私は、呼吸が息苦しくなる。 鼻と鼻がぶつかるくらいの距離に。 そして。 彼は優しい微笑みを浮かべて 「――変わらぬ愛」
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