17

2/13
1143人が本棚に入れています
本棚に追加
/466ページ
 玄関まで行くと、パチパチと炭の音が聞こえる 「――行ってきます」  小さく呟いて、静かに玄関から出た。 ――近くの公園……。 「――?」  近くの公園て……私の家の近くの公園? でも、なんで?  私は首を傾げながら自分の知る近くの公園に足を向ける。  だって――  百合は私の実家を、知らない。  だとしたら……。  自分の来た道に振り返る  その時。 「――逃げる気?」  背後から、声がした。  顔をみなくても、怒りに溢れているとわかる声。 ――ついて、きた?  自宅にいる神崎さんと蓮君が頭を過ぎる。  2人に気づかれなくて、――良かった。  そう思いながら、声のする方に身体を向けると
/466ページ

最初のコメントを投稿しよう!