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玄関まで行くと、パチパチと炭の音が聞こえる
「――行ってきます」
小さく呟いて、静かに玄関から出た。
――近くの公園……。
「――?」
近くの公園て……私の家の近くの公園? でも、なんで?
私は首を傾げながら自分の知る近くの公園に足を向ける。
だって――
百合は私の実家を、知らない。
だとしたら……。
自分の来た道に振り返る
その時。
「――逃げる気?」
背後から、声がした。
顔をみなくても、怒りに溢れているとわかる声。
――ついて、きた?
自宅にいる神崎さんと蓮君が頭を過ぎる。
2人に気づかれなくて、――良かった。
そう思いながら、声のする方に身体を向けると
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