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…………う、そ……。 当てられたライトとと一緒で、私の頭も、真っ白。 目の前は開けていて、両サイドには、 「おめでとう」 と、言いながら拍手をする会社の人達に加えて、学生時代の友人達。 おめでとう? それよりも、なんでいるの? 当初の打ち合わせに、学生時代の友人なんて入っていなくて、会社の関係者だけだった。 ……内装も違う。 これじゃ、まるで ――結婚式、だよ。 「……?」 直人さんが私の手を、そっと掴んで、下ろす。 そして、 「ほら、行け」 と背中をトンと、押した。 ……い、行け? 戸惑いを隠せなくて、直人さんに振り返るけれど、彼は、無言で頷く。 ゆっくりと、前に視線を戻すと 「――――!」
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