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「瑠美、行くぞ」 「え」 お父さんが、ガチガチになりながらそう言う。 そっとお父さんの腕に手を添えて、引かれていく。 ……朔、さん。 目の前には、1度逃げ出した場所がある。 「瑠美?」 首を傾げたお父さんが、視界に映る。 私の足が、止まったから。 これでいいのか、わからない。直人さんのお姉さん……マネージャーの言葉が、過ぎる。 私は、一体。 全てかき乱して、自分だけが幸せになるなんて。 と、思った時。 「瑠美ちゃん」 微かに聞こえた声。 「…………!」 視線を向けると、今思考にあった人の姿が映った。 「マっ……マネージャー……」
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