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「ギリギリセーフ」
「キーパーがギリギリ取った~!」
「ギリギリセーブ!」
「冒○の書が消えました!」
「何故セーブしなかった!?」
教室に入った俺達をボケが出迎えた…
「よっ!犬」
「はよ~辰彦」
ボケの主は辰彦だった
「相変わらず、遅いな~大河も大変だな~」
「そんな事ないよ?犬ちゃん扱いやすいし」
「誰が扱いや『犬々静かにしなさい!』」
教卓の方から、我らが委員長さまが注意してきた
「喜美野…だってこの馬鹿達が!」
「問答無用よ!…廊下に『ごめんなさいでした~』」
俺は速攻で腰から90度曲げた完璧な謝罪をした
「…は?」
「え?」
「人に謝るときは土下座でしょ?」
さも当然というように、首を傾げている喜美野智巳
『な~んてこった!…やるしか…無いのか?』
俺はその場にひざを突き、謝る体勢になる
「喜美野さま!申し訳ござ『席つけ~』」
『は~い』
野次馬すらも席に戻っていった…薄情な奴らめ!
「…」
「乾…何やってるんだ?」
「これは…喜美野が」
「何言ってるの?乾君」
「…」
「馬鹿やって無いで、乾も早く席座れ~」
* * * * * * * * * *
「これで授業を終わりにする!日直!」
「きり~つ!れ~い」
「あざ~した~」
『適当だな、おい!』
退屈な午前の授業が終わった
「犬!飯食おうぜ!」
辰彦の一言に、二つの事を思い出した…
一つ目は、昨日桜の下で出会った…新入生代表の猪谷夏樹のこと
俺は、彼女に『桜の良さを教える』と約束していた
二つ目は…
「弁当忘れちまった~!」
自分の弁当を忘れていた…
「犬のば~かw」
「犬ちゃんのば~かw」
「犬々って馬鹿ね」
…返す言葉も有りません
「恵…弁当忘れたのか?」
「恵哉君お弁当忘れたの?」
「仁!奏!」
二人が弁当を俺の前に差し出してきた
「馬ちゃんも、猿くんも犬ちゃんに甘すぎだよ~」
「そうだぞ!情けは人のためならずって言うだろ?」
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