季節外れの桜

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****―――――――――― 客間につくと女をそっと下ろし布団をしく。 再び女を抱き上げ布団に寝かせると縄をとりだす。 「縛るとか気ぃひけるけど堪忍なぁ。」 折れてしまいそうな手首、足に縄をかける。 (なんでやろ。やっぱり間者に思われへん。こんだけ怪しいのに。) 顔にかかった黒髪をはらうと、整った顔が見える。 「あとはさるぐつわやねんけど…。」 チラッと女の唇を見る。 赤く柔らかそうな唇。 「はぁ…なに考えてんねん俺。監察方やぞ俺は。」 頭をふり邪念を振り払うとそっと唇に触れる。 指を突っ込み口を開けると指に舌が当たる。 …!あかんあかん。 もう一度頭をふり布を口に詰め、さらに上から布で口元をおおう。 そして監視をするため屋根裏にのぼった。
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