88人が本棚に入れています
本棚に追加
****――――――――
雲一つない綺麗な月夜。
「こんな月が綺麗な日は団子にかぎりますね。」
中性的な顔をした色男が団子を頬張る。
ここは京、新撰組屯所。
縁側に座って団子を食らっているのは、新撰組一番隊組長沖田総司。
「だぁぁぁ!しんどっ。」
声のしたほうを見ると、全身黒ずくめの服――忍服をきた男が歩いてきた。
「山崎さん、お疲れ様です。」
「あ?なんや沖田はんか。…また団子くうとるんかいな。朝も食っとったやろ。そんな食うたら病気なんで。」
「あいにく僕の体はそんなやわじゃないですよ。」
「…確かにそうやな。」
山崎は口元を隠していた布をずらす。
夜風が山崎の短い髪をなびかせる。
沖(月夜がよく似合う人ですね。)
最初のコメントを投稿しよう!