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ため息と共に一気に気持ちが落ちるのを感じ、私はハッとした。
って、ダメダメ!
ため息つくと、幸せが逃げる!
慌てて吐いたため息を吸い込みながら、頭をシャキッと上げる。
すぅ~…
……って。
……つく前に逃げたんだった…。
………………はぁ。
肩を落とす。
……暗すぎるな…、私…。
こんなとこ、誰にも見られたくない…。
…って、もう誰もいないか。
このまま学校にいても寂しさ倍増するだけだし、さっさと帰ろう。
私は開いているドアに手をかけ、教室に一歩足を踏み入れる。
ふと目線を上げると、窓際の机の上に座っている人影が目に入ってきた。
「っ」
びくん、と私の身体が揺れる。
…誰かいる。
「―――…」
夕陽に照らされるシルエット。
夕焼けのオレンジと、人影の黒のコントラストはすごく目を引く。
―――…キレイ…。
まさに、絵に描いたような光景で、暗い気持ちなんて忘れてつい見とれてしまった。
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