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「え、何?なんかあった?ため息とか、夏乃らしくないじゃん!どうしたの」
陸はいつもと雰囲気が違う私を不思議に思ったらしく、机からぴょんと床に降りて、少し離れた窓際に立っていた私の方に歩いてくる。
その表情は私のことを心配してくれているようにも見えた。
友達思いの優しい陸。
普段弱味なんて見せない私だけど、彼氏にフラれたことが結構堪えてるみたいで、不意に陸に甘えたくなった。
陸なら話聞いてくれるかな…?
「―――――――…フラれた、んだよね。」
「…は?」
「彼氏にフラれたの…ついさっき。もう、最悪だよ~…」
「―――…」
視界の端っこに陸が目を大きく開いたのが見えた。
あ、やっぱり驚くよね、って思って陸に笑い掛けようとしたけど…できなかった。
…目頭が熱くなったから。
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