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「はぁ…」
――情けない。
あんな悲しい霊を助ける事も出来ないなんて……
何て私は思わない。
そりゃあ、一時期は私だって必死に修行した。
少しでも悲しい霊を助けようと努力した。
そして気付いてしまったんだ。
自分の才能の無さに。
霊なんて助けを求めてきても迷惑なだけだ。
まあ、少しは罪悪感は有るけれど、でも……
「こんな『一物』無くなってしまえば良いのに…」
………さっ!何時までもこんな風に悩んでても仕方ないよね!!
「今日はカレーにしようっと♪……って、ん?」
………ここは何処だろう?
ボーッと歩いているうちに知らない所に来ていたみたいだ。
何せ入って間もないしね。迷うのも無理無いよ。うん。
何だか無償に恥ずかしくなった私は誰に聞かせるでもなく言い訳をするのだった。
「はぁ…」
――私、溜め息多いなぁ。
壁にもたれ掛かり、溜め息を吐く。その異様な多さに気付いてまた溜め息。
………そんな時、気付いてしまったんだ。
その壁のメッセージに。
「8つ目の七不思議……?」
これが私の運命の分岐点。
多分、パラレルワールドがあるなら、この世界の私は、一番ラッキーな天上院 聖何だろうな。
まあ、今思えば、だけど。
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